今、日本の宇宙飛行士が世界のトップを狙える時代になっていることをご存じだろうか。
約20年前、毛利衛は日本人で初めてスペースシャトルで飛行した。8日間の飛行中、数十種類の実験を行い大活躍したものの、スペースシャトルの主要操作には一切携わることはできなかった。
当時、NASA宇宙飛行士は外国人に対して門戸を閉じており、毛利氏は「科学実験のスペシャリスト」として搭乗するゲスト的な立場だったのだ。宇宙飛行士の華である船外活動やロボットアーム操作を日本人が担うことは夢のまた夢だった。
その後、国際宇宙ステーション(ISS)計画を開始するにあたり、NASAは外国人に門戸を開く。日本人で初めてNASA宇宙飛行士養成クラスに入り、資格を取ったのが若田光一だ。その卓越したロボットアーム操作や技量でNASA関係者から「The MAN」と敬意を込めて呼ばれ、NASAでロボットアームの教官も務めた。
続いて野口聡一は、2003年2月のシャトル事故で約2年半にわたり飛行が凍結された後の歴史的復活フライトで船外活動チーフの重責を担った。その腕前は「宇宙飛行士の殿堂に迎えたい」とNASAから絶賛された。
日本人宇宙飛行士はこの20年間で、世界の宇宙飛行士と対等な立場に並んだ。そして今、トップを取りに行こうとしている。
今年末に4回目の宇宙飛行に飛び立つ若田光一は、日本人で初めてISSの船長を務める予定で、世界の宇宙飛行士のトップエリートだ。さらに2011年にISS宇宙飛行士に認定された新人宇宙飛行士3人は、最初から「船長になれる人材」として選抜された。
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