製造業の衰退が激しいアメリカ。日用品から電子機器まで、製造の舞台は中国へ移り、それと共に多くのアメリカ人の職も奪われた。
そんな中で、「21世紀のヘンリー・フォード」と呼ばれている人物がいる。イーロン・マスクである。
イーロン・マスクの名前は、日本ではあまり知られていないかもしれない。だが、高級電気自動車のテスラ・モーターズの名前を耳にしたことのある人々は多いだろう。
アメリカのセレブたちがこぞってその電気自動車を購入、2010年5月にはトヨタと資本業務提携をするなど注目度は抜群。マスクは、そのテスラ・モーターズの創設者だ。
現在41歳のマスクの資産はすでに15億ドル(約1236億円)。起業家として、次々に成功を収めてきた。そしてマスクは、アメリカに21世紀型の新しい製造業を興す中心人物にもなろうとしているのだ。
マスクの名前がテクノロジー業界で大きく知られるようになったのは、支払いシステムの新興企業ペイパルの共同創業者としてである。ペイパルの前進であるX.comという会社を創設したのが1999年。
これが後にペイパルとなり、マスクは同社を個人のオンライン支払いサービス会社として大成長させた。そしてオンライン・オークション会社としてならしていたイーベイが、ペイパルを15億ドルで買収したのが2002年のことだ。
ペイパルの出身者には、今でもシリコンバレーの新興企業の行方を握るキーパーソンが多くいるが、中でもイーロン・マスクは同社の最大の所有権を手にしていた存在である。マスクは、ここで資金を得たのを機に、今度は自身が本来手掛けたかった電気自動車と宇宙開発の事業に乗り出すのだ。
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