免税店をめぐっては、政府は当初、数値目標として東京五輪開催の2020年に全国で2万店と掲げていた。ところが昨年までの円安傾向などが後押しし、当初予測を大きく上回るペースで日本中に拡散している。
小売業界の中でも比較的腰が重かった大手コンビニチェーンが認可取得の動きを見せていることから、当分の間はまだ右肩上がりで増えて行くことだろう。
中国当局による海外旅行客の課税強化が、今後「爆買いツアー」や「日本のインバウンド消費」に大きなマイナス要素となるかどうかはもう少し様子を眺める必要があるだろう。しかし、中国など近隣国からのショッピング客需要に漫然と頼り続けていると、相手国の政策変更や予期せぬ経済の悪化などの影響で、突然、自分たちのビジネスが立ち行かなくなるリスクがある、ということを念頭に入れておく必要はある。
中国依存からの脱却が課題
冒頭に述べたように、G7諸国からの訪日客はお世辞にも多い状況とは言えない。ところが、日本からこれら“主要国”への渡航者は訪日客と比べ4~5倍、あるいはそれ以上と非常に多い。
日本からの海外旅行客は欧米諸国やオーストラリアなどへと距離に関係なく積極的に出かけているのだから、日本国内に欧米の人々が「行きたい」と感じられる魅力ある観光地なりアクティビティなりが存在し、かつ価格的な競争力があれば、一定の集客が得られるはずだ。しかし、現状の数字は、まだその水準に達していないと言える。
“主要国”へは日本人が大勢出かけていることから、これらの国々と日本を結ぶ航空路線も充実しており、PRの方法いかんによって欧米からの訪日客が新たな有力な客源となる可能性も十分に秘めている。爆買いが失速しつつある今、欧米にフォーカスした観光戦略を練る時期に来たといえるのではないか。
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