なぜ欧州の観光客は日本よりタイを選ぶのか アトキンソン氏「距離より深刻な問題がある」
「日本を訪れる欧州の観光客は、日本の潜在能力と比べて驚くほど少ない」
たとえば、ドイツからの訪日観光客数は年間約16万人。それに対し、タイへは年間約72万人のドイツ人が訪れている。ここには「欧州は遠すぎる」などという理由ではなく、日本の「受け身」の観光戦略が影響しているという。
日本に必要な新しい観光PRとは
日本政府が掲げる「2020年に訪日外国人観光客4000万人」という目標を確実に達成するためには、従来の考え方を変える必要があるということを、全国の講演会などでお話しさせていただいております。
そう聞くと、これまでの観光PR、マーケティングを否定しているような印象を受けるかもしれませんが、そうではありません。ただ、より戦略的でデータサイエンスに基づいたマーケティングが必要となってくるということを申し上げたいのです。
たとえば、自治体の観光PRを例にあげましょう。県知事や観光の担当者が中国や韓国を訪れて、地域の魅力を伝えているという話をよく聞きます。先月も和歌山県の仁坂吉伸知事が、インドネシアと香港を訪問した際に、現地で観光誘致に尽力されたという報道がありました。
これはこれで非常に有効なPRであり、ぜひ他の自治体も力を入れていただきたいと思うのですが、さらに戦略的な視点が必要になってくると思います。
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