「ラッシュアワーの満員電車で、10歳の娘は『パパ、私、押しつぶされそう』って騒ぐし、12歳の息子はカバンから手を離して『おもしろい、バッグが浮いてる!』って喜ぶし……」
家族4人で東京を訪れたオランダ人のヤンソンさん(仮名)は、「初めて日本に来たが、本当に面白いことばかり」と熱く語る。電車に乗って東京を巡ってみようとプランを立ててみたが、到着翌日、いきなり通勤ラッシュの洗礼を受けた。
この日、朝8時に都心のホテルを出て駅に行って、電車に乗った。そしてオランダではありえない通勤ラッシュに揉まれ、それなりに日本ならではの貴重な体験を得たようだ。
身長190センチ近くあるヤンソンさんは、通勤客がぎっしり乗っている様子を高い視線から見おろして「壮観な風景だった」とした上で、「こんな日常を過ごす日本の人々を尊敬するけれど、これでは子供たちに危険が及ぶ」と判断、できるだけ電車に乗らずに東京を楽しむのもいいんじゃないかと考えたという。
歩いてこそ分かる、東京の下町風情
ヤンソンさんにどうして日本に来たのか、と尋ねてみた。すると「3年前に行われたオランダ代表が日本代表が戦ったサッカーの試合を見に行った時、居合わせた日本人観衆の規律正しさと礼儀の良さにとても好感を持った。だから一度は日本に行くべきだ、と心に決めた」と意外な答えが返ってきた。
「我々欧州人にとって、日本って本当に遠い国。中世にわがオランダだけが遠い日本と通商していたというのが信じられない」と、しっかり歴史の勉強も怠らないヤンソンさん。観光スポットを積極的に回るのではなく、「日本の姿を肌で味わうには、地べたを歩くべき」と方針変更に少しの迷いもなかったと語る。
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