立ち乗り10ユーロ、「LCC弾丸列車」の衝撃 価格破壊は日本の鉄道会社にも波及するか

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真っ赤なカラーリングが特徴的なタリスの従来車両。パリ―ブリュッセル間を1時間20分程度で結ぶ(写真:リュウタ/PIXTA)

立ったまま乗車すれば、料金はたったの10ユーロ(約1240円)。この春、パリ(フランス)―ブリュッセル(ベルギー)間に、格安料金の高速鉄道列車がお目見えする。

ベルギーを拠点にフランス、オランダ、ドイツを合わせた4カ国を高速鉄道で結ぶ鉄道会社・タリスは3月1日、新たな高速鉄道サービスを4月3日から導入すると発表した。

新たな列車は「IZY(イージー)」いう愛称。従来タリスに使われている列車は真っ赤なボディが特徴だが、イージーの車両は白を基調に緑と紫で彩られる。2編成の国際列車がイージーに投入される。

所要時間は最短で2時間強

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イージーの車両デザイン。白を基調に緑と紫を配色

パリとブリュッセルは約300キロメートル離れており、東京―名古屋間(366キロメートル)よりも若干短い。従来のタリスはパリ北駅とブリュッセル南駅の間を1時間20分程度で行き来する。

これに対し、イージーの所要時間は2時間08分~2時間30分。フランスでは高速専用線でなく在来線を使うため、スピードを抑えざるをえないからだ。

金曜と日曜は1日3往復、土曜は同1.5往復、それ以外の曜日は同2往復となる。朝の会議に間に合うよう午前8時~10時に目的地に到着するという列車はない。つまり、ビジネスマンよりもレジャー目的の利用客を念頭に置いているのだ。土曜に本数が少なく、金曜と日曜に本数が多いのも、金曜に出発して日曜に帰るという行動パターンを想定しているからだろう。

スピードが遅い分、価格は安い。タリスの同区間の料金は、エコノミー席なら2カ月前までに予約すれば41~52ユーロ、当日なら99ユーロかかる(時間帯などによって価格はさらに変動)。一方のイージーは、2カ月前までの予約で19ユーロ、当日なら59ユーロだ。

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