「夜行列車衰退」は欧州でも起こっている! ドイツが廃止を発表、各国で波紋広がる
2016年3月20日、札幌を出発する列車を最後に寝台特急カシオペアが廃止され、青函連絡トンネルが開業した1988年以来、本州と北海道を結んできた夜行列車は完全に姿を消すことになる。それは同時に、誕生以来の伝統であった機関車牽引の夜行列車が姿を消し、日本の夜行列車は東京と山陰、四国を結ぶ電車寝台特急サンライズを残すのみとなったことを意味する。
夜行列車の衰退は、日本だけの問題ではなく、鉄道先進国であるヨーロッパ各国でも同じ状況となっている。2015年12月、ドイツ鉄道子会社で夜行列車を運行するシティナイトラインが、1年後の2016年12月ダイヤ改正をもって夜行列車事業から撤退する、と発表した。シティナイトラインは、2016年1月現在で国内外5路線10区間が運行されているが、他国が運行している列車を除きすべて廃止する意向だ。
ヨーロッパの中心に位置するドイツから、多くの夜行列車が姿を消すということは、ドイツ国内だけの問題に留まらず、特にそのほとんどが国際列車のシティナイトラインの場合、目的地となる相手国にも大きな影響がある。
夜行廃止反対のデモも
ドイツ鉄道から撤退のニュースが発表された数日後、チューリヒにあるシティナイトラインの本社前では、夜行列車廃止に反対する市民らがプラカードを持ち、抗議のデモ活動が行われた。
チューリッヒを起点にしてドイツ方面へ向かうシティナイトラインは、ベルリンやハンブルクといったドイツの主要都市のみならず、オランダのアムステルダムやチェコのプラハなど、その行き先は多岐に渡る。列車の廃止は、これらの都市へのパイプを一つ失うことを意味し、市民が危機感を抱くのもうなずける話だ。
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