JR中央線の「終電時刻」は、どうして遅いのか 昔はもっと遅かった「深夜の足」の意外な歴史
2015年もあと少しで終わり。年の瀬といえば帰りが遅くなりがちなシーズンだ。ピークはもう過ぎたかもしれないが、忘年会が続き毎晩帰りは日付が変わってから……という人や、年内に片づけなければいけない仕事のために、帰宅が遅い人も多いのではないだろうか。そんなとき、都市部の人なら気になるのが終電の時刻だ。
首都圏で最終電車の時刻が遅い路線としてよく話題に上る路線といえばJR中央線だ。山手線各駅から放射状に伸びる路線の中では終電の出発時刻がもっとも遅く、新宿駅の発車時刻でいうと午前1時1分発の三鷹行きが最終だ。同駅を午前0時41分に発車する高尾行きの終電が終点・高尾に到着するのは午前1時37分で、JR高崎線と並んで全国の鉄道で最も遅い。
終電の「遅さ」は路線によってまちまち
「終電の(発車時刻の)遅さ」は、各路線で距離などの違いもあるため一概には言えない面もある。例えば川越行きの最終が新宿発午後11時55分で「終電が早い」と言われがちな埼京線も、池袋発赤羽行きに関していえば午前0時41分発まで、赤羽発池袋行きは午前1時3分発まで走っており、首都圏でもかなり遅い部類になる。逆に、終着駅の到着時刻が中央線と並んで遅い高崎線の最終電車が、始発の上野駅を発車するのは午後11時46分。上野〜高崎間の距離は101.4kmで、新宿〜高尾間42.8kmの倍以上あるため、発車時刻はどうしても早くなる。
とはいえ、中央線は終電の発車時間、終着駅に着く時間のどちらも遅く、便利な路線として知られているのは事実だ。中央線の終電が遅くまで走っている理由は何かあるのだろうか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら