JR中央線の「終電時刻」は、どうして遅いのか 昔はもっと遅かった「深夜の足」の意外な歴史
終電といえば気をつけなければいけないのが「寝過ごし」だが、中央線沿線ではこのための便を走らせているバス会社がある。西東京バス(八王子市)では2014年から年末の忘年会シーズンの夜に、高尾駅から八王子駅へ向かう「寝過ごし救済バス」を運行。今年も12月の11・18・22・25日の深夜に1本運転している。いずれも休日の前日だ。
バスが高尾駅を出発する時間は午前1時05分。終電よりは早い時間だが、これは「中央特快の最終電車が午前0時55分に高尾に着くので、これに合わせた」(西東京バス)という。2014年に初めて運転したところ好評で、同社によると「多い日では40人くらいの利用があった」。八王子を通りすぎ、高尾駅まで寝過ごしてしまう人が多いことのあらわれだ。バスが運転される日には係員が駅前で呼びこみをしているという。
大江戸線の終電が遅いワケ
山手線の駅から郊外へ向かう電車で終電の時刻が最も遅いのは中央線だが、都内の地下鉄でもっとも遅くまで電車が走っているのは都営地下鉄大江戸線だ。
最終電車が終点の光が丘に着くのは午前1時10分。新宿駅を出るのは午前0時46分だ。都営地下鉄の他の路線だと、最も遅い電車が終着駅に着く時間が三田線は0時45分、浅草線・新宿線は午前0時40分。大江戸線だけ30分遅くまで走っていることになる。
一般的に地下鉄は終電の時間が早めだが、大江戸線はなぜ遅くまで走っているのか。これには大江戸線の歴史が関係していた。東京都交通局によると、同線のうちいちばん早く開業したのは練馬~光が丘間で、1991年12月に開業したが、練馬駅で西武池袋線の下り最終電車に接続するダイヤにしたことが始まりという。
現在では多数の路線と接続する大江戸線だが、当時は練馬で接続する西武池袋線が、都心からの路線では唯一の接続路線だった。同線の終電から乗り継ぐ利用者のために終電の時刻を遅くしたことが今に引き継がれているわけだ。ちなみに現在の終電は練馬発が午前1時4分。西武池袋線の終電が同駅に到着するのが午前0時55分なので、乗り換えには余裕があるといえるだろう。
忘年会シーズンにクリスマスと、イベントの続く年末。遅い時間の電車が混み合う時期はまだしばらく続くだろう。鉄道会社によっては夜間に臨時列車を増発している路線もある。乗り遅れや寝過ごしには十分気をつけて、楽しい年末を過ごしたい。
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