日本の誇りを守るため「伝統文化」も変化せよ なぜ、ここまで「ボッタクリ」がまかり通るか
英語の「Japan」はもちろん「日本」のことを指しますが、「japan」と書くと、何を指すかご存じでしょうか? 答えは「漆」です。「漆」の技術や、それを使った「漆器」が日本を代表する伝統技術だということは、この言葉からも明らかです。
しかし、この大切な伝統技術が、現在、危機に瀕しています。先日、テレビで「日本産漆を使った漆器をつくっている職人」が取材されているのを見て、私は大変驚きました。こういった職人を探し出せたのは、統計上奇跡に近いことだからです。
日本では年間約50トンの漆が使われていますが、そのほとんど(98%)が中国産で、日本産漆はたった1トン。その日本産漆も、ほとんどすべてが文化財の修繕に使われているのです。
さらに、その文化財ですら、明治以降の復元では、中国産の漆を多用してきました。下村博文文部科学大臣(当時)の英断によって、2018年4月からは国宝級の文化財の復元には100%国産の漆を使うという変更が行われましたが、それまでは中国産を7割と、日本産を3割ほど混ぜて塗っていたのです。
今回は、この「漆」にまつわる問題を解説していきたいと思います。
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