コーセー「雪肌精」、爆買いに頼らない新戦略

百貨店でも販売、高級路線へ磨き直し

コーセーは主力化粧品「雪肌精」のブランド価値アップへ、国内でも百貨店での販売を始める(記者撮影)

ドラッグストアにうずたかく積まれた青いボトルの化粧品と、それを買い込む中華系の客――。訪日観光客が多く訪れる場所では、もはやお馴染みとなった風景だ。

青いボトルが目印の美白化粧品、「雪肌精」を展開するのは、化粧品業界第3位のコーセーだ。同社が4月28日に発表した2016年3月期決算では、売上高が期初の会社計画を273億円も上回る2433億円(前期比17.1%増)、営業利益も346億円(同52.9%増)となり、3期連続で最高益を更新した。2015年度は化粧品業界各社が上昇気流に乗ったが、それでもずば抜けて調子が良い。

中国で受けた漢字3文字のネーミング

全体を牽引したのは訪日外国人向けのインバウンド売り上げだ。グループ傘下の高価格帯化粧品ブランド「アルビオン」の化粧品に次いで、中価格帯の雪肌精の貢献度が高かった。2015年度通期で160億円(2014年度は50億円)のインバウンド売り上げを獲得したことで、全体の売上高は6.5%程度押し上げられた。

今や爆買いの代名詞ともなった雪肌精は、薬草から抽出した成分を使用した美白化粧品。1985年発売のロングセラーブランドで、発売当初から今まで、処方やボトルのデザインは一切変えていない。それでも、2012年に広告キャラクターへ女優の新垣結衣さんを起用して顧客年齢を一気に若返らせ、現在もコーセーの顔であり続けている。

そして中国でもかねてから知名度が高い。1990年代前半から中国の現地百貨店で展開。アルファベットによる化粧品ブランド名が多い中、親しみやすい漢字3文字の名前も受けた。

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