爆買い中国人に頼り切った観光戦略は限界だ

G7諸国からの来日客が少なすぎる!

中国の税制変更により爆買いツアーは失速する可能性がある(撮影:尾形文繁)

空前の警備体制が敷かれた主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が大きなトラブルなく終了した。サミットには主要国の首脳だけでなく、世界中から多数の報道陣が押し寄せるため、「日本の今の姿」を海外に伝える良い機会、とあってあの手この手を使ってPRが推し進められた。

中でも、G7首脳らによる伊勢神宮参拝の様子は、海外のメディアにとって「日本の伝統文化」を伝える格好の映像になったようだ。

中国人の消費は失速

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ところでインバウンド消費の高まりが顕著な昨今、これらG7を構成する「主要国」の人々はどのくらい日本を訪れているのだろうか。

2016年1~4月の観光庁発表による訪日外客数統計では、総数783万4600人に対し、G7(日本を含まない米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダの6カ国)からの訪日客は73万5700人と9.3%にとどまる。ちなみに国別シェアで最も大きいのは中国の22%(173万3500人)。中国と台湾、韓国、香港の東アジアからの訪日客が全体の3分の2を占める。

言うまでもなく、訪日客マーケットの主要な客源は中国をはじめとする中華圏および韓国が大きなウェイトを占めている。さらに統計(観光庁の「訪日外国人1人1泊当たり費目別旅行支出」)を細かく見て行くと、中国本土からの訪日客は、1人当たり平均で滞在中に15万円強も使ってくれる「上客」なのだから、(好む好まざるにかかわらず)日本の小売業界が中国人向けの販促強化を推し進めることは当然だ。ちなみに、全ての国籍者を含めた訪日客全体の平均的な買い物への出費は7万円弱なので、「中国人の買いっぷり」は突出していると言えよう。

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