地方創生交付1000億円リストの危険な傾向

あなたのまちの「事業計画」は大丈夫か?

もっと直接的に成果を図れるよう、忍者マーケティング事業を通じて専門の旅行パックをどれだけ新たに販売し、普通の観光より客単価をどの程度上げられたかなど、より直接的でシンプルな地域の「稼ぎ」を捉えられる指標にしないといけません。

集落に新たな拠点施設を整備する提案をしている地域もあります。3200万円を投じ、その成果は、外国人観光客年間20人、日本人観光客年間100人という目標設定です。これはどう見ても地域が活性化する達成目標数値ではなく、単にできそうな数値を掲げているだけ。正直、知り合いをイベントで集めてくればすぐに集まる人数です。

最初に掲げた数値目標を基に事後検証されるわけですから、警戒して設定する数値目標を低く設定するのは、担当者としては合理的な行動です。しかし、そんな打算的な数値目標設定では、地域を変えるような事業成果を示す目標ではありません。目標を達成しても何も変わらなかった、となってしまいます。

予算が地域外へ流出、地域負担が増加する例も

このほかには、2~5件の女性による新規創業を支援する事業費に3800万ほどの予算を投じたりする地域もあります。注意しなくてはならないのは創業する人に資金を出すのではなく、創業する人を支援する専門家を呼ぶ経費などに、予算を使ってしまうということです。

なぜか直接的に地域の事業などに投資されることなく、このような「支援」だの、「拠点開発」といったことに配分された予算が費やされてしまうわけです。百歩譲ってバラマキであったとしても、少なくともその地域に残るものであればまだマシでしょう。しかし、支援をする専門家を地域外から雇ったりすれば、結局地域外へ資金は流出します。さらに、施設を作ってしまえば、維持費は永遠に地域で負担し続けることになり、トータルでは地域は赤字です。

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