日本人が語らない「お金を稼ぐことは健康的」 出口氏と同性婚カップルが語る「現実」
出口:最後に、お二人はメディアでも連日注目されていますが、ストレスはないのですか?
幸せの定義を「松竹梅理論」で決める
増原:う~ん、もちろんストレスがないことはないんですけど、ただ、どうやったら自分たちが快適でいられるかを見つけているんですよね。
おカネに関しても、私たちはこれくらいの生活をしたいから年収はいくらまで満たされれば快適だと、そういうラインをよく話し合って知りました。だからそれ以上は、自分たちの中では「want」で、ぜいたくの領域に入るんです。たとえば、1年に1回は海外旅行に行きたい。快適になるラインを見つけてしまえば、わからないまま必死にもがくことはないし、絶対にこれだけは手に入れたいという具体的な目標があると頑張りやすいですよね。
私たちはよく「松竹梅理論」で話し合っています。食に関してはこだわりがあるから、竹の上くらいがいいんじゃないかとか、だからその分、ほかの項目を節約しようとか(笑)。項目別に考えると面白いです。
東:よく相談するよね。
増原:うん。そうやって自分たちの好きなこと、満足できることを知ると、ストレスも解消されやすいですね。
出口:本当の人の幸せとは何だろうと考えたら、まず、きちんとご飯が食べられて、あったかい寝床がある。それから、なんでも話し合えるパートナーや友達がいる。養子も含めて、子どもが欲しければ自由に育てることができる。これらが人の幸せの基本だと、僕は思っています。
ご飯はちょっとでいいとか、お酒はこれだけ飲めればいいとか、自分はどのレベルがあれば満足なのか、そこをきちんと決めておけば人は幸せになれますね。
東:はい、そうなんです。でも私は、そこを知るのにすごく時間がかかりました。闇雲だったからずっと不幸で。だって、どこまで頑張っても幸せになれないんですよ。たとえたくさん手に入れたとしても、自分が本当に何が好きかを知らなければ、いつまでたっても満たされないので。
増原:20代の頃は貧乏だったし、上を見たらきりがない。しかも自分が何を好きか、何をしたいのか、何をしていたら幸せなのかがまったくわからなくて。それで、わからないと当然満足しないので、そのときにやっと、このままではどこまでやっても幸せになれないということに気がつきました。2人で話し合っていく中で、「私たちはこういうことをしたいよね」「これが好きだよね」「これが足りないよね」とわかり、そこからはすごく幸せになれました。
東:いろいろ経験してみたり、1回ぜいたくしてみたり、そうすると「これは要らなかったね」とかわかってくるんです。だから、若い時は経験に投資するっていうのはほんとにすごく大切。そのためにも、やっぱりおカネが必要なんですよね。
出口:そのとおりです。やっぱり、おカネの知識は大事ですね。2人とも、今日は多岐にわたるお話を本当にありがとうございました。
東:ありがとうございました!
増原:ありがとうございました、本当に刺激的で楽しかったです。
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