波紋を呼ぶ「少数派」しか世界を変えられない 出口氏と同性婚カップルが語る「真実」

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ライフネット生命・出口会長とLGBTカップルの対談をお届けします。
『働く君に伝えたい「お金」の教養』の著者でライフネット生命保険代表取締役会長兼CEOである出口治明さんと、『同性婚のリアル』の著者でLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの英語の頭文字を取った総称で、性的少数者を指す)アクティビストの東小雪さんと増原裕子さんが刊行記念鼎談を行った。同性と異性のカップルではどこが違うのか? 幸せの定義とは? など、LGBTやおカネについて語ってもらった。

池に石を投げ入れたら、波紋が立つのは当たり前

出口治明(以下、出口):お二人は大変有名で、メディアにも多く露出されていますが、露出が増えた分、ご苦労も多いのではないかとお察しします。そもそもお二人が表舞台に出て行こうと決意された動機は何だったのでしょうか。

増原裕子(以下、増原):私は、10歳のときに「女性が好きだ」ということに気がつきました。そこから誰にも言えずに、悩み苦しんだ時期が約10年続いたんです。20代になってから少しずつカミングアウトできるようになりましたが、それでも個人レベルで輪を広げているだけ。30代になって、いろいろな仕事をしていく中で「自分が社会から任されていることは何か」を考えるようになりました。すると、やはり自分のセクシュアリティはすごく重要なものだし、むしろ「これを活かして何か社会と関れないのか」と思い始めました。自分が女性を好きであるということを積極的に言わないと、異性愛者だと思われてしまうという状況、つまり同性愛者がいないと思われている状況がとても息苦しくなってしまって、それで何かやりたいなって思ったのが大きなきっかけですね。

東小雪(以下、東):私は宝塚歌劇団の出身です。宝塚には100年以上の歴史があって、4000人以上の生徒を輩出しています。でもその中で、レズビアンであることを社会的にカミングアウトしているのは私だけです。最初は、公表していいのか悩む気持ちもありました。ですが、レズビアンであることも、劇団で舞台に立っていたことも私の一部なので、「私は私らしくいたい。私でいることをやめられない」と思ったのがきっかけで、5年前にカミングアウトしました。ツイッターで芸名とセクシュアリティを公表していますが、バッシングは当時もありましたし、今でもあります。

次ページお二人のロールモデルは?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事