毛利優子:私の場合、周りには内定が決まった人もいるような時期に遅めのスタートを切ったので、正直、不利は不利でした。
当時もう実家を出ていたので、面接の日はリクルートスーツにスリングで子どもを抱いて電車に乗って、実家に預けてから面接に行く、みたいな感じで。周りからジロジロ不思議そうに見られてました。あと、リクルートスーツにミルクがかかって、面談前に必死でトイレの中でシミ抜きしたり。
太田:私も大学3年生で出産をしていますが、授業中におっぱいが張って痛くて。学内のトイレでこっそり搾乳してましたね(笑)。
一同:わかる~!
E:私は出産の5日後から就職活動を始めたため、長男の月齢が小さすぎて保育してくれる先がなく、就活中の1カ月は、子どもは実家に預けていました。毎週末に帰省していましたが、育児と就活との両立で疲れているのと、おっぱいがパンパンに張って痛いのとで、夜行バスの中ではいつも泣いていました(笑)。
「入社すらできない」ことがつらかった
太田:私の場合は4年生になると、育児が忙しくなる一方で、同級生が次々と就職先も決まり、卒業旅行で楽しんでいるのを見て、取り残されたような感じがして。孤独だし、つらかったですね。「将来はバリバリのキャリアウーマンになる」と、1年生の頃から決めていただけに。
E:そうそう、卒業旅行に行けないなど、「普通の大学生」でいられなくなるのは寂しいですよね。私の場合何が嫌だったかって、学業や仕事と育児の両立ではなく、本当はバリバリ働きたいのに、時間的な制約でそういう会社には入社すらできないことがつらくて。
毛利優子:私も、最初の就職先は監査法人だったのですが、「フルで働いてお迎えに間に合う」というのが最大のポイントで、ファーストキャリアは自分がやりたいことより、就業時間などの条件を優先せざるを得ませんでしたね。そうでないと「母」が務まらなかったからです。まずは経済的に自立することが第一と割り切って。
◇ ◇ ◇
実際にお話を伺ってみて驚いたのは、皆さんが「学生ママ&パパになること」を想像以上にポジティブに選択されていたこと。一方で、当事者でないとわからない、生々しい苦悩や葛藤もあるようですね。
そんなハンディを抱えながらも努力を重ね、周囲にアピールすることで道を切り開いていった皆さんの体験談には、現在の日本が抱えるさまざまな問題を打破する、大きなヒントが隠されているように思います。
座談会はまだ続きます。次回は、育児と学業・仕事を両立するための具体例を交えながら、学生ママ&パパという生き方が、個人の人生はもちろん、社会全体にもたらす可能性について考えてみたいと思います。
※ 後編の配信は4月15日(金)の予定です
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