なぜ若者は恋愛を「コスパ最悪」と考えるのか

「恋愛格差」が進む原因を考える

若者にとって恋愛やセックスは、お金が掛かるうえに、うまくいかなければ自我を傷つけるものだ(写真:Graphs / PIXTA)

20代前半の若い世代で、恋愛離れが進んでいる。一方、“セフレ”や“ソフレ”の台頭など、性愛がひとり歩きしはじめた。その原因を探る。 

日本におけるラブ&セックスの変遷

当記事は「GQ JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)の提供記事です

ある調査によると、20代で交際相手のいない女性は6割、男性ではなんと8割弱にも達する。マーケッターの牛窪恵さんは、その予兆はバブルが崩壊したころから見られると、次のように指摘する。

(出典 東京都幼・小・中・高・心性教育研究会「児童・生徒の性に関する調査」2014年)

「欧米からロマンチック・ラブ・イデオロギーが持ち込まれ、1960年代後半には恋愛結婚とお見合い結婚の割合が逆転し、恋愛は“性”や“結婚”と三位一体化しました。

しかし、バブル期を迎えるころには、ドラマや映画などアメリカナイズされた恋愛カルチャーが市場に浸透し、その関係性は大きく変化。映画の『ゴースト』や『プリティ・ウーマン』をはじめ、恋愛ドラマの中でも、はっきりとセックスが描かれました。

日本でもセックスしたからといって、結婚まで意識しなくてもいいとなり、バブル絶頂期の1990年前後には、トレンディドラマの影響もあり、セックスへのあこがれは、それを自由に楽しんでいいんだという奔放な意識を伴うようになりました。

その後、90年代後半にエイズ問題が顕在化し、インターネットが台頭します。いっぽうで、TV番組でひな壇芸人たちが人気を呼び、彼らが“ひとりエッチ”(マスターベーション)の話を、明るくオープンに語るようになると、オナニーの市民権が向上しました。

このへんから長期化した景気停滞も手伝って、若者にとって恋愛やセックスは、お金がかかるうえにうまくいかなければ自我を傷つける割にあわない行為に転じる可能性があるものになりました。

近年ではデートDVやストーカー問題なども表沙汰になり、なにかといえば自己責任が問われるように。もはやラブ&セックスはコストパフォーマンスが悪く、高リスクなのです」

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