なぜ若者は恋愛を「コスパ最悪」と考えるのか 「恋愛格差」が進む原因を考える
さらに、恋愛を遠ざける“ほかのたのしいこと”も多数登場した。バーチャル恋愛ゲームやアイドルとつながれるソーシャルサービスなど、リアルな男女関係をもたずとも満たされる娯楽が揃ってきた。
ゆとり世代以降になるほど、そうした“たのしいこと”に多くの時間を割く。しかし彼らがセックスをまったくしないわけではない。
「彼らのデートは食事も、ラブホ代も割り勘。幼いころから男女平等に育ったからこそ、借りをつくりたくないんですね。
だからセックスは友だちとするいっぽう、添い寝以外何も求めない“ソフレ”の関係も増えています。気が向いた時にお互いを求める。いい意味でマイペースを築け、ラクでいられる関係です。リスクを避ける彼らの生き方そのものです」
地位がなければ、恋愛すら謳歌できない
性にだらしがないから、セックスフレンドを作るわけではないのだ。一方、超情報化社会の到来で、気軽に性の世界がだだ漏れになっていることも若者同士のラブ&セックスを遠ざけている要因だ。
「2000年代になると携帯電話でアダルトサイトが閲覧でき、スマホが登場すると手軽にすべてが見られるようになりました。いわゆる“トワイライトゾーン”であった、性の世界を気軽に知ることができ、いつでもどこでも触れられるようになったわけです。
そうなると、食事と一緒で、少しずつ小腹を満たしているような感覚で間に合わせることができます。結果、若い男性は飢餓状態にまで性的欲求をためこんでいかないから、セックスのために手間暇かけて努力しようとは思いにくいんですね」