民主主義は「保育園落ちた」問題を解決するか "政治的弱者"をめぐる歴史と未来
「保育園落ちた日本死ね!!!」という過激なタイトルのブログが大変な反響を呼びました。働かなければならない保護者にとって、「子どもを保育園に預けられない」事態は深刻です。「政治や行政はいったい、なにをやっているんだ!」という怒りが「日本死ね」という言葉となって表れたのでしょう。
こうした問題を、なぜ政治は迅速に解決できないのでしょうか。民主主義というならば、もっと人々のニーズに沿った政治がなされてもよいはずです。
『世界史で学べ!間違いだらけの民主主義』(かんき出版)の著者で、予備校世界史科講師・宇山卓栄氏に、民主主義とは何かを民主主義の歴史の視点から解説してもらいます。
「何なんだよ日本。一億総活躍社会じゃねーのかよ。昨日見事に保育園落ちたわ。どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。」ではじまるブログ記事。これが大きな話題となり、国会でも取り上げられるまでになりました。
このブログ記事には「オリンピックで何百億円無駄に使ってんだよ。」と書かれ、予算の使われ方、配分も批判しています。
国や地方の予算には限りがあります。その限られた予算を自らに有利なように配分させようとする戦いそのものが政治であると言ってもよいでしょう。
その戦いに勝利し、予算を掴み、恩恵を受けることができる者は政治的な強者と位置付けられます。反対に、恩恵を受けることができない者は政治的な弱者です。
政治的な強者と弱者
民主主義は平等、公正を標榜しますが、実際のところ、政治的な強者と弱者の格差を容認し、固定させます。
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