「保育園落ちた」ブログで日本は変わるのか 待機児童問題に取り組む、駒崎氏からの提言
リソース不足。カネが足りない
──国会では安倍首相の発言だけでなく、「出典を示せ」など与党席からの議員のやじも、大いに反感を買った。
あのやじは最低ですね。
自分こそ匿名でやじを飛ばしている。これはブログを書いた人だけに関係するのでなく、同じように保育園に入れず、保活で苦労しているみんなの共感を呼んでいます。
1億総活躍というなら、本来ならば、いの一番に取り上げなければならない問題です。首相が本気でやれば、すぐに解決できるんですよ。
──待機児童問題は保育士や保育所の不足など、いくつかの背景があると指摘される。何が根本的な原因か。
「リソース不足」。もうこれに尽きます。対GDP(国内総生産)で、子育て支援などにカネを投じている比率は、フランスの3分の1で、北欧諸国の4分の1です。国の規模に比べて、投じるカネの量が圧倒的に少ない。
たとえば保育士の場合、給与が全国平均で月20.7万円。全産業平均より10万円も少ないんです。だから保育士の資格を持っていても働かない。これを月1万円でも上げれば340億円、10万円上げても3400億円です。
高齢者に(3万円の臨時給付金を)バラまくくらいならとも思います。年金や医療には10兆円単位の予算が充てられている。2015年4月に子ども・子育て支援新制度が始まり、7000億円増えましたが、まだ足りず、1兆円はないと厳しい。
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