厳禁!初対面の印象を悪くする「NG言動」 ANA社員が見た目に気を遣うワケ
人の第一印象は見た目が9割を占めると言われるように、身だしなみはお客様の第一印象を決定づける重要な要素です。
「オシャレ」と「身だしなみ」は違う
CAには 20 代の社員も少なくありません。特に若い頃はオシャレをしたい年頃かもしれませんが、ANAのCAは「オシャレ」よりも、「身だしなみ」に配慮することを指導されます。
例えば、髪型や髪の長さ、色、アクセサリーなども、清潔感があって常識的なものとするように定められています。なぜなら、身だしなみによって、お客様の航空会社に対する安心感や信頼感が左右されるからです。
CAが長い髪の毛を後ろで束ねずに、前髪をしきりに触っていたり、爪が伸びていたらどうでしょうか。CAは食品を扱うため、不潔という印象を抱くお客様も多いでしょう。ですので、ANAでは、髪が肩にかからないようにまとめる、爪は手の平から見て1ミリ程度の長さにするといったルールを定めています。
オシャレと身だしなみは、まったく異なります。オシャレは自分のためにするものですが、身だしなみはお客様の安心と信頼を得るために整えるものです。
清潔感のある美しい身だしなみは、お客様と直接コミュニケーションをするCAだけに求められるものではありません。
ANAの整備部門でも、作業者は身だしなみに気をつけています。もし夜間作業で汚れた作業服のまま出発便を担当すれば、直接お客様の目に触れるため、不快感やこれから出発する飛行機に対する不安を与えかねません。そのため、出発便を担当する直前の休憩時間に新しい作業着に着替えるよう心がけています。
また、パイロットのマニュアルには行動規範を定めたものがあり、その中には「運航乗務員は制服を正しく着用し会社の名誉および信用を傷つけてはならない」と身だしなみについても定めがあります。
身だしなみが乱れたパイロットの飛行機と、きっちりした格好のパイロットの飛行機、どちらに乗りたいと思うでしょうか。答えは言うまでもありませんね。身だしなみが乱れているパイロットを見たお客様は、「この飛行機、大丈夫かな」「このパイロットに命を預けるのは不安だ」と思われるでしょう。「この航空会社の飛行機には乗りたくない」と利用を避けるお客様もいるかもしれません。
パイロットとお客様は、基本的に初対面です。長く付き合っている仲であれば、「見た目はああだけど、仕事はしっかりするよ」と思ってもらえるかもしれませんが、私たちの世界では、服装の乱れなど第一印象により会社の信頼感や安心感を損なってしまうおそれがあります。