中国経済は、短期中立、中長期では悲観?(下)《若手記者・スタンフォード留学記 34》


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 前回は、「中長期的な中国経済の行方に悲観的な理由が5つある」と述べ、ひとまず「長期化する輸出の停滞」と「鈍い内需の伸び」という2つの理由を挙げました。

今回は、残りの3つの理由を記したいと思います。

高齢化がもたらす「医療費膨張」と「年金危機」

3つ目の理由は、「労働人口の減少と高齢化」です。

国連人口統計局のデータによると、1950年以来右肩上がりを続けてきた中国の労働者人口(15歳~64歳)は、2015年頃に10億人弱でピークを打つ見込みです。つれて、1980年には22.1歳だった中国国民の年齢中央値は、2030年には41.1歳まで上昇します。

ちなみに、日本で労働人口の減少が始まったのは1998年。日本は、高齢化の前に先進国となるのに成功しましたが、中国の場合は、「豊かになる前に、老いてしまう」可能性が高いわけです。

では、人口面での変化は、中国経済にどんなインパクトをもたらすのでしょうか。

ポイントは3つです。

まず、わかりやすいのが、医療・福祉コストの上昇。世界保健機構(WHO)によると、すでに中国の1人当たりの年間医療支出は、1995年から2006年のあいだに、91ドルから342ドルへとほぼ4倍に拡大していますが、今後、高齢化の進展によって、この拡大ペースに拍車がかかります。加えて、実際には、医療費が払えず病院にかかっていない国民が多数いますので、潜在的な医療費コストはさらに大きい。

年金面でも難問山積です。現在、なんらかの年金に加入している高齢者は、全体の3割以下にすぎず、残りの高齢者は家族のサポートによって食っている状態にあります。

中国は、子供が両親の面倒を子供が見る伝統があるので、公的なセイフティーネットが脆弱でも、路頭に迷うリスクは低い。ただし、子供世代にしてみれば、親を養って、自分の将来のための貯金も必要となると、個人の消費に回すお金などなくなってしまいます。しかも、中国は定年が日本より早く、40代、50代で、定年を迎える人もザラですので、引退後の生活が長い。つまり、本気で国が年金を充実させようとすれば、莫大な資金が必要となるわけです。

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