人生が好転する「真の居場所」見つけた人の言葉 42歳で実家を出て最高の伴侶を見つけるまで

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写真左より心理セラピストとして活動する杉田隆史さん、ライターの大宮冬洋さん(写真:筆者提供)

出会いがない、という言葉を最近はあまり聞かなくなった。多くの人がネットを活用している現在、社会人サークルを見つけるのは容易だし、婚活アプリもたくさんある。それぞれリスクはあるけれど、出会い自体はいくらでも存在するのだ。

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しかし、出会いを繰り返しても「いまいちピンと来ない」「好きな人には逃げられて、好きじゃない人にアプローチされる」という結果を聞くことが多い。長年婚活を続けて疲れ果ててしまう人もいる。どうすればいいのだろうか。

杉田隆史さん(50歳)は「悩んでいない人の悩み相談」を掲げるユニークな心理セラピストだ。うつ病などの病名はつかなくても、自分は本当は何がしたいのかわからないなどの悩みを持ち続ける人は少なくない。結婚はしたいけれど異性との付き合いが苦手、という人もいる。杉田さんは開業してから13年間で約5000人ものクライアントに寄り添ってきたという。

興味深いのは、杉田さん自身が30代半ばまで仕事が続かず、途中で1年4カ月も引きこもったりしていたことだ。当時、結婚する気にはとてもなれなかったと杉田さんは明かす。46歳のときに晩婚を果たした話を聞いたうえで、パートナー探しがうまくいかない人へのアドバイスをもらいたい。

働くこと自体が恐ろしかった

――大学卒業後、長い間苦しかったそうですね。

いちばん困っていたのがお金を稼げないことです。ちゃんとした職に就けないことをずっとコンプレックスに感じていました。新卒で入社した食品会社を2年で辞めてオーストラリアでツアーガイドをしていましたが、3年半後には帰国。自分が就きたい仕事に就けない、そもそもやりたい仕事がわからない、勤めてもすぐに辞めてしまう。そんなことの繰り返しでした。

実は、働くこと自体が恐ろしかったのです。原因ははっきりしています。仕事がうまくいかなくなった親がうつ病になり、自殺を図ったことありました。マンションから飛び降りた親を発見して救急車を呼んだのは当時高校生だった私です。必死で働くと本当に死ぬ目に遭うのか、と思いました。

大学を卒業して、ハードではないと思われる食品業界を選んだのはそのためです。でも、業務内容にまったく興味が持てませんでした。他人のペースで働くことも私にはできません。自営業向きなのだと今ならわかりますが、当時の私には自営業は身近ではなくてイメージが浮かびませんでした。

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