
「駅のトイレの不便さ」に気づいてほしい
「私たち高齢者の心身がわかっていないなと感じることがよくあります」
ITエバンジェリストとして全国を飛び回る若宮正子さん(89歳)は、急成長を遂げるシニア市場を歓迎しながらも、ため息を漏らす。
世の中には、「シニア用」「シニア向け」とうたったスマートフォン、パソコン、タブレット、テレビ用スピーカー、電動自転車などの新商品が次々に登場している。使用状況から安否確認ができる見守り機能付きの家電もある。
AIとIoT技術を組み合わせ、さらにシニア仕様に特化させた製品やサービスの数々。高齢者にとっては好ましい時代になったのではないか。
しかし若宮さんは、それらも高齢者のリアルなニーズをくみ取り切れていないと話す。
総務省が公表した2023年度の総人口に占める65歳以上の人口割合(高齢化率)は29.1%。加速度的な高齢者人口の増加にともない、新規事業を開拓してシニア市場に参入する企業が増え続けている。
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