中国社会の少子高齢化の趨勢がますます鮮明になりつつある。10月21日に公表された最新の調査データによれば、中国の60歳以上の高齢者のうち独居または配偶者のみと生活している(子供や親族などの同居人がいない)比率が、2021年時点で全体の6割近くに達したことがわかった。
この調査は全国規模で5年に1度行われる「中国の都市・農村部の高齢者生活実態サンプル調査」で、今回が5回目。中国民政省、全国老齢工作委員会、国家衛生健康委員会などの所管部門が合同で2021年に実施した。
独居または配偶者のみと生活している高齢者は、中国では「空巣老人」(訳注:雛鳥が巣立って親鳥が取り残された状態にたとえた比喩)と呼ばれる。今回の調査によれば、高齢者全体に占める空巣老人の比率は59.7%に上り、2010年と比べて10.4ポイント上昇した。
介護の担い手が不足
その内訳を見ると、独居者は高齢者全体の14.2%、配偶者のみと生活する高齢者は同45.5%を占めた。一方、子供と同居している高齢者は全体の33.5%、その他の親族などと暮らす高齢者は同6.8%だった。
空巣老人がますます増加する中、子供の数は逆に減少の一途をたどっている。(年老いた親の介護を子供が担う)伝統的な「家族介護モデル」を維持するのはもはや難しいのが実態だ。
「少子化の加速が家族介護のキャパシティを低下させている。客観的に見て、家族介護への政策的サポートや(施設介護などの)社会的な介護サービス体系の整備を急ぐ必要がある」
中国の高齢者政策の諮問機関である中国老齢協会は、今回の調査の解説文でそう提言した。
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