7月18日、中国のインフルエンサーが動画サイトで配信した「消失的理想汽車(消えた理想汽車)」と題するインタビュー番組が、ネットユーザーや自動車業界関係者の間で大きな注目を集めた。
それは実に奇妙なストーリーだった。インタビューを受けた羅さんは浙江省杭州市の住民で、新興EVメーカーの理想汽車(リ・オート)の高級スマートカー「L9」を2023年に購入した。
ところが、今から1年前の25年7月22日未明、羅さんの愛車が駐車場から忽然と姿を消した。彼は直ちに警察に通報。監視カメラの映像を確認した結果、何者かがレッカー車でクルマを牽引して持ち去ったことが判明した。
L9はインターネットへの無線接続機能や衛星測位システムを搭載しており、オーナーは理想汽車のスマートフォン・アプリを通じて車両の現在位置を確認したり、エアコンやオーディオなどを遠隔操作したりできる。
消えた愛車の足取りを羅さんがアプリで追いかけると、L9は浙江省嘉興市、安徽省安慶市を経由した後に一路西へと向かった。そして8月20日、新疆ウイグル自治区西部のコルガスから国境を越えて隣国のカザフスタンに入ったのだ。
その間、羅さんはアプリを通じてL9の窓やトランクの開閉を操作できたが、鍵をロックすることはできなかったという。彼の話が事実なら、何者かがL9のシステムをハッキングしてロック機能を無効にし、(中国の司法の手が及ばない)海外に運び出した可能性が疑われる。
警察の初期判断は「立件せず」
事件はそれだけで終わらなかった。
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