私が研究を始めた1990年代には、アルツハイマー病は医師ですら知らないくらい珍しい病気でした。現在、2022年の認知症の患者数は約443万人、65歳以上の約8人に1人の割合にまで増えています。
たった30年で、患者数がこれほど急激に増えたのには理由があるはずです。遺伝子はこんな短期間では変わりません。
では、ここ最近で急激に変化したものはなんだろうと考えたところ、「食生活」に思い至りました。日本人の食生活は高度経済成長期を境に急変しました。
1955〜1973年頃は日本の経済が継続して飛躍的に拡大した時期。食の欧米化が進み、市販の惣菜、冷凍食品、レトルト食品など加工食品が登場しました。ハンバーガーなどファストフード店やファミリーレストランがオープンし、外食チェーン店が増えたのもこの頃です。


















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