2025年、「円高」は続かず「円安」が再びやってくる アメリカ「利下げの終わり」と日銀「利上げの終わり」

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「実需の円売り」が影を潜める中、日米の金利はどう動くか。2025年の為替相場を展望する後編。

日銀もFRBもそれほど動けない(写真:Bloomberg)

前回のコラム「2025年のドル円は?『実需の円売り』は影を潜める」では需給の観点から見た2025年見通しのポイントを整理した。では、もう1つの重要な説明変数である金利の観点から見たポイントはどうだろうか。

金利をつかさどる中央銀行とて神の目を持つわけではない。「データ依存(data dependent)」のフレーズが示す通り、あくまでその瞬間のモメンタムをフォローする存在でしかない。

金融政策運営ひいては政策金利の軌道から円相場の見通しを語ることに、端的には利上げ・利下げの回数を予想するゲームの一環として語ることに筆者はあまり大きな意味を感じていない。

金利は非常に重要な説明変数であるが、過去3年弱にわたる円安局面を語るにあたっては、もっと大事なことはあったという立場である。

少なくともFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)が計0.75%ポイントも利下げしても1ドル150円台に定着しているという話は、金利差で森羅万象を語ろうとする論陣においては相当に意外なことではなかっただろうか。

上半期中にはアメリカ「利下げの終わり」

そのうえで半年や1年という見通しに限っていえば、内外金利差が2通貨間の相対的な強弱関係に与える影響は無視できないのも事実だ。

金利から見た2025年のドル円相場のイメージを明示しておきたいと思う。

まず、FRBの政策運営をどう考えるべきか。

結論からいえば、現時点で筆者は2025年中の利下げ回数については4~6月期までに順当に2回、リスクシナリオでもあと3回の前提で考えている。

12月17~18日に開催されたFOMCで示されたメンバーによる政策金利見通し(ドットチャート)では2025年の利下げ回数に関し、2回と示された。2回にせよ、3回にせよ、上半期中に起きる話だろう。

重要なことは2025年が「利下げの終わりが争点化する年」ということだ。パウエルFRB議長が12月会見で「(利下げの)プロセスは新たな段階に入った」と明言していることからも読み取れるように、利下げを前提とする円高地合いの持続性は乏しいと考えておくのが無難に思える。

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