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為替を意識した政策が望ましいか問われる時だ 為替の安定と金融政策の自主性はトレードオフ

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一気に進行する円安に金融政策は自主性を貫き通すのか判断する正念場を迎える。

一時1ドル=160円まで進行した円安に当局は為替介入。150円台での推移が続く(撮影:梅谷秀司)

為替が国民の大きな関心事となり、その修正を求める圧力が日本銀行に加わる最近の構図は、1980年代のデジャビュを日銀にもたらしているかもしれない。80年代の懸念は円高だったが、日銀は1980年代に円高対応を求められて過剰な金融緩和を行ったことがバブルを誘発したとの反省を長らく持っているといわれる。

為替の決定要因はさまざまだが、金融政策に起因する内外金利差が最大の要因の1つである。わずか3年間で4割近くの大幅な為替減価が内外金利差によって引き起こされたことは疑いのないところだろう。過去3年間で、日米金利差は短期が約500ベーシスポイント以上、長期が約350ベーシスポイントも拡大した。円安の進行自体はある意味で致し方ないことだ。

金利差を意識してきた欧州

過去3年間の日米金利差の拡大は、コロナ後のインフレに対応したFRB(米連邦準備制度理事会)の急激な利上げが最大の要因だ。しかし、日本以外の多くの国では、アメリカとインフレや景気の状況などの違いはあっても、FRBの金利引き上げにつかず離れずこの数年間利上げを実施してきた。

ECB(欧州中央銀行)などの主要中央銀行は、建前としてはアメリカの金融政策に従属しているかのような説明を避けつつも、実質的にはFRBの一挙手一投足を注視しつつ金融政策を遂行している。一方でわが国は、今回、FRBが利上げを開始してから2年の間、少なくとも短期金利の引き上げに日銀が手をつけることはなかった。

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