「40歳は人生の折り返し地点ですよね。働き始めて約20年で、これから先も定年まで20年あります。その40歳になったときにどんな暮らしをしていたいのか。自分の姿を想像して、独身一人暮らしのままではいたくないと強く思いました」
ここは東京・中野にある中華料理店。名物のスペアリブの黒酢炒めなどを食べながら、会社員の杉山明美さん(仮名、40歳)の話を聞いている。20代の頃はレストランで働き、現在の仕事に就くまでは食品関連の講師業をしていた明美さんは、飲食が好きな明るい雰囲気の女性だ。
30歳頃までは仕事と遊びに夢中だったという明美さん。何人かの男性と付き合ったが、結婚しようとは思わなかった。
「仕事を頑張っていて稼ぐことが好きな男性ばかりでした。そういう人は自分から情報をつかみにいくので話が面白いし、失敗しても笑いのネタにする根性がありますよね。でも、結婚相手には家庭を守ってほしいという人が多くて、外で働きたい私の希望とは違いました」
「このまま独身ではマズイ」
そんな明美さんが「このまま独身ではマズイ」と痛感したのは35歳になった頃だ。気がつくと同世代のほとんどは結婚している。一方で、40歳を過ぎても独身の友人は「婚活が大変。出会いがない」と嘆いている。自分はどうしたいのか。30代のうちに準備して結婚しなければ後悔すると思った。
友人が紹介してくれた結婚相談所に登録すると、たくさんの男性会員からアプローチを受けた。明美さんによれば、新規登録して3カ月ほどは「モテ期」が続くらしい。月に5人ぐらいのペースでお見合いを繰り返し、そのうちの1人とはデートを続けることができた。2歳年上の公務員男性である。
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