頭打ちを迎えたスマホゲーム市場。アプリ外決済導入によるコスト改善、手薄な海外市場の開拓。現状を抜け出す手立てはあるのか。

スマホの普及とともに破竹の勢いで伸びたスマホゲーム。その減衰が、明らかになってきた。
CESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)によると、国内のスマホゲームの市場規模は2021年に1.3兆円を突破。ところがその後は、2年連続で減少へと転じている。
「スマホゲームは完全にレッドオーシャン化した。撤退すると明言していなくても、ほかの儲け方を探している会社が増えている」。業界関係者はそう明かす。
人気上位は定番タイトルや中国勢
2010年代には、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ」(2012年配信)、MIXIの「モンスターストライク」(2013年配信)を2大巨頭として、任天堂など家庭用ゲーム機向けを主力とするメーカーも次々と参入。市場は急拡大した。「10年前は、スマホゲームが家庭用ゲームを駆逐すると言われていた」(東洋証券の安田秀樹アナリスト)。
しかしその成長は10年で早くも頭打ちを迎えた。とくにコロナ禍以降は、動画配信サービスなどの別のエンタメコンテンツとユーザーの可処分時間を奪い合っている。
タイトルの新陳代謝の悪さも、市場の閉塞感を招いた一因だ。
下図を見てほしい。アメリカの調査会社、センサータワーが発表した2024年1~7月の国内スマホゲームの収益ランキングでは、モンストやパズドラなどの長寿タイトルと、中国のmiHoYoが手がける「原神」や「崩壊:スターレイル」が上位に付け、日系メーカー発の新規タイトルの勢いは乏しい。
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