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"開発費100億円時代"が問う国産ゲームの生存戦略 苦闘の日系メーカー、30兆円市場で勝ち抜けるか

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日系ゲームメーカーの間で相次いだ大型タイトルの失敗や開発中止。世界市場が30兆円規模に拡大する中、ゲーム業界でいま何が起きているのか。

開発費高騰を避けられぬ中、日系ソフトメーカー各社は戦略の見直しを迫られている(撮影:梅谷秀司)

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【配信予定】
12月19日(木)
 カプコン、「営業利益率4割」を支えるデータ経営
12月20日(金) コーエーテクモ「毎年大型タイトル」に懸ける真意
12月23日(月)以降 Coming Soon!

「誠に勝手ながら、2025年1月18日(土)にサービスを終了させていただくことになりました。プレイヤーの皆様には突然のお知らせとなりましたこと、深くお詫び申し上げます」

バンダイナムコホールディングス(HD)傘下のゲーム会社が開発した、オンラインアクションRPG「ブループロトコル」(ブルプロ)。開発に8年以上を費やしたとされる大作のサービス終了が今年8月、公式サイト上で突如告知された。2023年6月のリリースから、わずか1年半余りでの幕引きである。

明確な理由は記されていないものの、「今後皆様に満足いただけるサービスを継続的に行うことが困難」と判断したという。

バンダイナムコHDは今年2月にも、5タイトル以上のゲームの開発中止を発表している。9月には、ブルプロの開発にも関わったバンダイナムコスタジオで、増加するプロジェクトの待機人員に対して退職勧奨が行われていると告発するサイトまで出現した。「いわゆる“追い出し部屋”はないようだが、バンダイナムコスタジオ社内では『来年あたりにリストラがあるのでは』と噂され、退職者も目立っている」(業界関係者)。

ソニーの大作もリリース後2週間で撤退

「売れると思ったものが売れなくなった」「地盤沈下が始まっている」

日系ゲームメーカー関係者の間で今、苦しい声が上がっている。業界の閉塞感を表しているといえるのが、PC・家庭用ゲームにおいて大型タイトルの失敗や開発中止が相次ぐ現状だ。

巨額の開発費を投じながら、ほとんど利益を生み出さないまま撤退の判断が下されたのは、ブルプロだけではない。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)傘下のスタジオが8年かけて開発したとされるシューティングゲーム「コンコード」は、2024年8月のリリースからたった2週間でサービス終了となった。セガも2023年9月に、大型タイトル「ハイエナ」の開発を中断。スクウェア・エニックスHDは複数のタイトルの開発中止により、過去最大となる約220億円の特別損失を2024年3月期に計上した。

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