東京五輪の舞台「有明アリーナ」の可能性と課題 近代的な施設で収益も唯一の黒字計画だが…

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2月3日、有明アリーナでは、女子バレーボール日本代表のデモンストレーションが行われた(編集部撮影)

2012年ロンドン五輪銅メダルから8年。今年の東京五輪でのメダル奪回を目指すバレーボール日本代表(愛称=火の鳥ニッポン)が2月4日からいち早く本番に向けた強化合宿を実施している。

練習公開日となった17日は、2008年北京から3回連続五輪に出場している新キャプテン・荒木絵里香を筆頭に、29人の候補選手たちが熱のこもったトレーニングを行っていた。2016年10月から指揮を執る中田久美監督は「今はまだゲーム形式の実戦練習を始めた段階。本番になって舞い上がらないような練習をしつつ、選手の絞り込みを進めていきたいと思っています」と意気込みを新たにしていた。

強化合宿突入直前の2日、火の鳥ニッポンは五輪会場となる有明アリーナのこけら落としイベントに参加。小池百合子東京都知事ら要人が見守る中、真新しいアリーナで公開練習を行った。

中田監督(左)と荒木選手(編集部撮影)

中田監督は「体育館が正四角形に近くて均等な作りなので、プレーのしづらさはないですね。実際、観客が入って、床も本番仕様のものに変わるので、雰囲気がどうなるのかわかりませんけど、選手たちはイメージが湧いたんじゃないかと思います」と前向きにコメント。

荒木も「北京やロンドン、リオでも会場で直前に練習する機会はありましたけど、今回は自国開催の五輪のために作られた真新しい体育館。中に入ってみて『ゾワゾワ』っという特別な感覚がありました」と武者震いしたことを明かした。

近代的な施設が有明に誕生した

東京五輪ではバレーボール、パラリンピックでは車いすバスケットボール会場となる有明アリーナは、江東区有明の3万6576平方メートルの広大な土地に総工費約370億円をかけて建設された近代的な施設だ。

東京2020オリンピックでのイメージ(写真:Tokyo 2020提供)

メインアリーナの面積は約4100平方メートルで、バレーボール4面、バスケットボール3面を取れるだけの広さがある。

収容観客数は1万5000人。観客席は1万2000席だが、フロアに3000席の可動式イスを設置可能で、イベントによって収容規模を柔軟に変化できる。

最上段からみても見やすい作りになっていた(編集部撮影)

こけら落としイベント後に観客席を1周してみたが、VIPラウンジ・ボックス席や関係諸室が複数あり、2階席角からもアリーナ全体がしっかりと見渡せるつくりになっていた。選手の一挙手一投足が把握できる見やすさと臨場感は大きなウリと言っていい。

隣には約1400平方メートルのサブアリーナもあり、こちらもバレーボール・バスケットボール各2面を確保できる広さがある。両施設を使えば、大がかりな国際スポーツイベントの開催も十分可能だろう。

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