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「水道屋本舗」運営のアクアライン、暗号資産の下落かわすカラクリ。暗号資産に転換可能な社債を取引先に譲渡か

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「市場の番人」――。日夜株式市場を監視し、相場操縦やインサイダー取引などの不公正な取引を調査する証券取引等監視委員会(監視委)は、畏怖を込めてそう呼ばれている。ひとたび不公正な取引を発見すれば、金融庁に対して課徴金の納付命令の勧告や、検察に刑事告発を行うこともある。
投資家を守り、市場機能の健全化を促すという目的のため、その絶大な権力を適切に行使しているか、監視委はその真価を常に問われる立場でもある。そんな市場の番人が今回摘発に踏み切ったのは、どのような案件か(本連載は不定期で掲載します)。
※本記事は「会社四季報オンライン」でも有料会員向けに配信しています

評価損発生を決算書に記載せず

暗号資産の価格が下落し、会社として保有する資産の評価損が発生していたにもかかわらず、取得時の原価で会計処理をして、あたかも影響がないかのように見せていた――。

証券取引等監視委員会は3月4日、こうした不適正な会計処理が認められたとして、アクアラインに課徴金納付命令を発出するよう金融庁に勧告した。同社は水回りの修理などを手がける「水道屋本舗」を運営。広島市に本社を、横浜ランドマークタワー内に関東支社を置いている。

今回、監視委がまず問題視したのは、同社が保有していた社債に関する会計処理だった。社債は償還時に暗号資産に転換可能だった。

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