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〈インタビュー〉西武HDから「赤プリ跡地ビル」を4000億円で買収、ブラックストーン日本代表「しびれるほど高い金額ではない」

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ブラックストーン・グループ・ジャパンの橘田大輔代表取締役
ブラックストーン・グループ不動産部門日本代表の橘田大輔氏は「東京ガーデンテラス紀尾井町」の買収をめぐっては「時間をかけて西武HDの想いを聞いてきた」と話す(撮影:今 祥雄)
アメリカの投資ファンド・ブラックストーンは2025年2月、「東京ガーデンテラス紀尾井町」(東京都千代田区)を4000億円で取得した。西武ホールディングス(HD)が「グランドプリンスホテル赤坂」の跡地に開発した“虎の子”ともいえる物件で、売却先に注目が集まっていた。
4000億円という買収額は、外資系投資会社による日本国内の不動産投資案件として過去最大。日本国内の不動産売買案件としても過去2番目の規模となる。イグジット(投資回収)をどう目指すのか。ブラックストーン・グループ不動産部門日本代表の橘田大輔氏に聞いた。

――「東京ガーデンテラス紀尾井町」を4000億円で買収しました。外資系投資会社による国内の不動産投資案件としては過去最大規模の買収額です。

4000億円という買収額は大きいが、オフィスやホテルなど各アセットを個別にみていけば市場価格よりも高い金額を払ったわけではない。東京ガーデンテラス紀尾井町(以下、紀尾井町)の大部分はオフィスだが、商業施設や高級レジデンスもあり、いろいろと組み合わせることで不動産の価値を上げていける。

また、ブラックストーンはグローバルで2024年に4000億円規模の買収を5、6件行っている。グループ全体でみれば、「しびれる」ほど高い金額ではない。

紀尾井町が立つ土地は、「グランドプリンスホテル赤坂」の跡地で西武HDにとってはレガシーともいえる場所。西武HDにとって金額は大事であっただろうが、売却して終わりという案件ではなく、ホテルの運営などを続ける。

われわれにとっても今回の買収は単なる不動産投資ではなく、西武HDの企業価値向上のパートナーとしての第一歩という意味もある。住宅のブランディングや、ホテルの運営支援など多面的な投資が必要だ。デベロッパーである西武HDと連携して価値を高めていきたい。

こうしたさまざまな要素が入り組んで、4000億円という数字になった。単にキャッシュフローやキャップレート(期待利回り)だけをみて、金額が決まったわけではない。

時間をかけて西武HDと対話してきた

――紀尾井町の入札には投資ファンドのKKRなども参加したと聞きます。ブラックストーンに決まった理由をどう受け止めていますか。

単に「いちばん高い金額を提示したから」ではないと思っている。買収額だけでなく、「企業価値を上げるパートナーとしてブラックストーンがいい」と判断されたのではないか。

西武HDの経営陣とは以前からホテル運営など不動産戦略について定期的に話してきた。今回の入札でいきなり当社を知ってもらうのではなく、時間をかけて西武HDの想いを聞いてきた。

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