熱海・老舗リゾート「ニューアカオ」の末路。過去のリゾート開発で借入金は100億円に膨張

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名門のホテルニューアカオはフォートレスが取得した(写真:記者撮影)
インバウンド(訪日外国人観光客)の急増を受け、外資系ホテルの進出ラッシュが始まった。規模で勝る外国勢に日本勢が対抗するすべはあるだろうか。本特集では隆盛を極めるラグジュアリーホテルの最前線に迫った。

1954年開業の「赤尾旅館」が源流

2024年7月、熱海市内のリゾート運営会社、ACAO SPA & RESORTが民事再生法の適用を申請した。1954年開業の「赤尾旅館」を源流とし、ホテルや庭園、海水浴場を運営していた。だがコロナ禍の直撃で、債務超過に陥った。

関係者によれば、過去のリゾート開発によって借入金は100億円に膨らんでいた。負債圧縮のため不動産の売却を余儀なくされたという。

ホテルニューアカオの外観(写真:記者撮影)

手始めに22年10月、相模湾を望む別荘地を都内の不動産会社に売却。年末には海上に立つ名物ホテルとして知られる「ホテルニューアカオ」を米フォートレスに売った。その後も駐車場や別荘用地などを相次いで手放した。売却資金を借入金の返済に回すも、経営は上向かなかった。

金融機関から元本の返済猶予を取り付けつつ、24年ごろから事業再生ADRを模索。外資系リゾート会社や都内の不動産会社が支援に関心を寄せるも、条件面で折り合えず破談に。いよいよ資金繰りに窮し、冒頭の結末となった。

ファンド関係者によれば、スポンサー入札には10社程度が関心を示したという。主要物件は売却したが、広大な庭園や海水浴場に供していた浜辺はいまだ保有していたからだ。フォートレスのほか、日系デベロッパーやホテル運営会社の名も挙がった。

登記簿によれば、結局これらの物件を取得したのは熱海合同会社。金主はシンガポール系のファミリーオフィスとみられる。業界を襲ったコロナ禍は、結果的にファンドに「出物」を与えた。

本記事はダイジェスト版です。詳報記事は「東洋経済オンライン」のサイト上でご覧いただけます。

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一井 純 東洋経済 記者

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いちい じゅん / Jun Ichii

建設、不動産業の取材を経て現在は金融業界担当。銀行、信託、ファンド、金融行政などを取材。

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