企画を通せない人に伝えたい「プロの勘所」 累計6000万部売った編集者の「通す技術」

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通る企画書は何が違うのでしょうか?(写真:Graphs / PIXTA)

いい企画書、悪い企画書は何が違うのか?

こんにちは。KADOKAWAの小説レーベル『電撃文庫』で編集長をしている三木といいます。

今まで、『とある魔術の禁書目録』(累計1580万部)、『ソードアート・オンライン』(累計1130万部)、『灼眼のシャナ』(累計860万部)、『魔法科高校の劣等生』(累計675万部)、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(累計500万部)などを立ち上げ、担当してきました。累計担当作は約500冊、発行部数は6000万部を超えています。

前回は、「何人ものベストセラー作家に触れて気づいた共通点」について書きました。

僕はこれまで、編集者としてたくさんの小説原稿を読んできました。その内容は、まだまだ人様にお金を出して買っていただく「売り物」としては不十分な詰めの甘いものから、出せばヒット間違いなしという完成度の高いものまでさまざまです。

一方で、僕はひとりのビジネスマンとして企画書もたくさん読んできました。その内容は、小説を売り込むために作品内容を説明する企画書や、総予算数億円規模のメディアミックスプロジェクトの企画書などなど、こちらも多岐に渡ります。

同じように、企画書にもよい企画書と悪い企画書があります。今回は、多くのビジネスパーソンの方に応用していただけそうな「よい企画書の書き方」についてご紹介できればと思います。

よい企画書の書き方1:読み手の思考の「半歩先」を意識する

企画書とは、相手に自分の意図を十全に伝えるための手段です。そのため多くの人に、限られた時間の中で、簡潔に言いたいことを余すことなく伝えられる内容にする必要があります。

極端なことを言えば、「この企画書をお読みください」という一言以外、口頭で何も付け加える必要がない、というのが理想的な企画書のあり方です。

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