企画を通せない人に伝えたい「プロの勘所」 累計6000万部売った編集者の「通す技術」
「そんな想像の話、無駄じゃない?」と思うかもしれませんが、企画が成立したあとのビジョンがない企画書は、小説でいうなら、エンディングがない物語のようなもので、個人的にはもったいないと感じます。
たとえば新規商品開発の企画書の場合、その商品ができた結果、どういったムーブメントが世間で起こることが理想なのか、そこまで考えてこそ、共有するビジョンも確かなものになるのではないでしょうか。
「寝かせてみる」これだけのメリット
企画書に限った話ではありませんが、締め切りギリギリで仕上げるものは、心に余裕がないからか、どうしても完成度が低くなりがちです。誤字脱字のチェックすらできません。理想は、一度完成させた企画書を一晩寝かせ、翌日もう一度第三者目線で読み直し、ケアレスミスを見つけて完成度を高めることです。この過程によって、新しい着眼点をみつけることも少なくありません。
これは企画書ではなく小説の話ですが、僕は大抵、最後の見直しのタイミングで作品タイトルを決めることが多いです。電撃文庫『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』という作品のタイトルは、小説本体が完成してからもしばらくはまったく決まらなかったので、凝り固まった考えリセットするためにしばらく原稿を寝かせました。
そして、もう一度読み直したときに、このタイトルをひらめき、作家からも賛同を得、最終決定したのです。結果、この作品は大ヒットしただけでなく、タイトルに対する高評価をたくさんいただきました。
企画書がよくなるか悪くなるかは、ちょっとした工夫で変わります。みなさまも試してみてはいかがでしょうか?
次回の記事では「生産性の高い人と忙しい人の違い」についてお伝えします。
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