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あなたのマネジメントを罰ゲーム化させる元凶。「既存の仕組みを直すのが一番早い」という大誤解

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  • 堀田 創 Hajime Institute/株式会社シナモン創業者
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同様の罠は、中期経営計画にも潜んでいます。3年スパンの計画を精緻に立てようとすれば、為替前提や市場環境など、不確実な要素をすべて固定して合意しなければなりません。

しかし、前提が一つ崩れるたびに全連鎖を巻き戻して合意を取り直す構造では、為替が動くたびに収益計算を更新し、KPIが変わるたびに人事評価ロジックをひっくり返す作業に追われます。巧みに色分けされたスライドの承認を待つ間、現場は修正待ちでタスクを堆積させ、時間はただただ溶けていく。これこそが、組織の活力を奪う「合意内容の複雑さ」の正体です。

複雑さを解消する「4つのフレームワーク」

この巨大なコストを最小化するために、本書『マネジメントの原点』では、以下のような構造的な解決策を提案しています。

分割:すべてを固めてから動くウォーターフォール型を捨て、今確実に言語化できる最小単位だけで合意し、実行に移す。
並列:法務、調達、現場などが順番にレビューするのではなく、特定の時間に全ステークホルダーが集まり、同時に確認してその場で修正を完結させる。
接続:部署間の翻訳役を置き、無駄なメール往復や言い違いによる摩擦を吸収させる。
標準化:3度繰り返されたミスや手戻りはシステムの欠陥と見なし、プロセスやひな形を更新して、未来の合意コストを恒久的に削減する。

決断を速くするためには、どれだけ早く前提を捨てられるか、どれだけ合意の単位を小さくできるかが大切になります。組織の血流を滞らせる複雑さを淡々と取り除く技術を身につけたとき、マネジメントは罰ゲームから本来のやりがいへと変わるはずです。

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