「献身的なリーダー」は実は無責任?思考停止の組織を劇的に変える3つの具体策

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ビジネスのチーム
献身的なリーダーがハマりがちな罠とは(写真:Moto/PIXTA)
「なぜ、あなたのマネジメントは罰ゲームなのか」
多くのミドルマネジメントが「罰ゲーム」のような疲弊感に苛まれている。よかれと思ったことが裏目に出る。矛盾した要求の板挟みになり、身動きが取れなくなる。部下の「ちょっとご相談いいですか」という声に、「また仕事が増える」と一瞬身構えてしまう自分に気づき、自己嫌悪に陥る。
「長く続いた疲弊は、やり方を変えれば、終わらせることができるのです」――。話題の新刊『マネジメントの原点――協働するチームを作るためのたった1つの原則』では、連続起業家×AI研究者×投資家の堀田創氏による「マネジメントの負担を軽くする科学的方法論」を紹介している。本書に掲載された生々しい事実から、今回は「献身的リーダーが実は無責任である理由」について紹介する。

自己犠牲は衝突を避けるための自己防衛である

マネジメントの原点: 協働するチームを作るためのたった1つの原則
『マネジメントの原点――協働するチームを作るためのたった1つの原則』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

リーダーの過度な自己犠牲は、組織心理学において「サクリファイス・シンドローム(犠牲症候群)」と呼ばれ、燃え尽きと組織のエネルギー枯渇を招くリスク行動として知られています。

さらに衝撃的な事実は、この献身がリーダーによる二重の責任放棄であるという点です。

・教育責任の放棄:部下に判断や成長の機会を与えない。

・管理責任の放棄:仕組みを改善せず、問題を構造化することを止める。

なぜ、献身的なリーダーほどこの罠にハマるのでしょうか。その根底には、部下に厳しい要求をしたり、反対意見と向き合ったりする衝突のストレスを避けたいという「自己防衛」の心理が潜んでいます。短期的な面倒を省く選択が、結果として組織全体の当事者意識を壊しているのです。

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