AI活用を成功に導く企業の思考とアプローチ 世界的ベストセラー作家が説く「指数関数的思考」や「デザイン思考」の重要性

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AI活用機会を特定するには、仕事の難しさやリスクの許容度によりAIの活用機会を特定していく。AI活用機会の候補となるタスクを、「複雑度」と「リスク許容度」の2軸で分類した4象限マトリクスで、どの領域にどのようなタスクがあり、AIをどう提供していけばよいかを見極めることができる。

たとえば、複雑性は高いが人命にかかわるような致命的なリスクが低い領域では、人間とAIがクリエイティブ・チームとして協働しデザインを進めるようなタスクが適していると言えるだろう。

また、AIの活用機会を特定するには、単にワークショップを開催し新しいアイデアを試すだけでは不十分であり、顧客の真の問題を特定し人間中心のアプローチで創造的な解決策を導きだすデザイン思考が役立つ。

活用機会が特定できた後のAI導入プロセスとしては、1)問題の理解、2)複雑な問題を解決できる包括的な解決策の特定、3)AI活用機会の特定、4)ビジネスケースの構築、5)適切なAI技術の選定、6)構築と実装、7)インパクトの測定、というステップがある。

このアプローチで最も重要なのは、手段としてのAI技術の導入ありきではなく、ユーザーの真の問題を理解しフィードバックを受け入れながらアジャイルに試行錯誤を繰り返し、活用機会を創造し評価検証していくことである。

AI活用の目的とイノベーション

AIを導入する目的は、主に従業員の生産性向上、イノベーションと創造性の促進、長期的な収益化の3つに分類できる。すでに生産性向上を目的とした取り組みは、多くの企業で各々の工夫のもとに進んでいるが、最も注目したいのはAIを活用したイノベーションと創造性の促進の観点である。

例えば、消費者接点の領域では、行動データと企業が持つ顧客データを学習させ分析することでパーソナライズされた多元的なサービスの提供が可能になることに加え、新たなエコシステム経済圏としての発展も期待できる。

デザイン思考アプローチは、イノベーションを促進する手法として非常に適しているため、問題の発見から解決までを発散と収束を繰り返すダブルダイヤモンド・フレームワークとしてすでに普及しているが、AIはデザイン思考のアプローチを拡張・支援するツール(または、AIの活用方法を体系的に示したものがデザイン思考)として非常に有益となる。

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