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「トラックドライバーのソウルフード」「東京23区にはあえて出店しない」 ラーメンチェーン《山岡家》が全国区で老若男女に愛されているワケ

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  • 岩崎 剛幸 経営コンサルタント/ムガマエ代表取締役社長
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つまり山岡家の経営は、今、人に徹底的に投資をしているということです。人的資本に投資をして、それ以外の経費をできるだけ抑えることで、高収益を生み出す経営体を作っているのです。

実際に25年3月には基本給で平均6.8%のベースアップを実施していますし、確定拠出年金の増額を行うなど、金銭面で従業員への安心感を提供しています。同時に「健康経営優良法人2025」に認定されるなど、従業員の心身サポートにも力を入れています。

まさに人的資本経営をしている代表的な企業と言ってもいいかもしれません。山岡家のスタッフがイキイキと働いている理由がわかった気がしました。

「納得のいくスープ」を作れなければ出店しない

山岡家の今期スローガンは「お客様に喜んで貰う」というものです。これは同社の理念でもあります。通常、多くの飲食チェーンではセントラルキッチンで主要な食材の下準備や調理を済ませ、店舗に配送することでオペレーションコストを下げ、効率的に収益を上げようとするものです。

「山岡家」の店内に掲示されていた理念(筆者撮影)

これに対して山岡家では、麺は共通ですが、ラーメンの味の核となるスープ、チャーシュー、野菜類のカットはすべて各店の店内調理です。スープは水と豚骨を丸3日煮込んで作ります。

山岡家らしい味が出ているかどうか、同社の創業者である山岡正会長は実際に車で全店をまわりチェックし続けているそうですから、そのスープに対するこだわりは並々ならぬものがあると言っていいでしょう。

最近では、スープの知識向上を目的にした山岡会長によるスープ講習会、スキル向上のための社内コンテストの開催、動画マニュアルによるスキル教育、果ては北海道北広島にトレーニングセンターを開設するなどして、徹底したQSC(品質・サービス・清潔さ)向上と従業員教育を強化しています。

これによって“リピーター率75%”と言われる固定客化ができているのです。

整理整頓された清潔な調味料類(筆者撮影)

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【年間7~10店舗が出店の限界】

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