「トラックドライバーのソウルフード」「東京23区にはあえて出店しない」 ラーメンチェーン《山岡家》が全国区で老若男女に愛されているワケ

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それでも大型トラックが1台は駐められるようなスペースを確保していることや、店前にも5台ほどの車やトラックが駐められそうというのも山岡家ならではの立地でした。

山岡家にはシャワー室を完備している店もあり、苫小牧船見店、羽生店など13店舗ほどで設置しています。店内で飲食すればシャワーを無料で使えます。

同店は24時間営業がほとんどですから、移動中に山岡家で食事をして、シャワーを浴びて休憩もできるという便利な店だからこそ「トラックドライバーの聖地」と呼ばれたのです。

「88年の牛久店オープン初日の売り上げが6000円しかなかった」時代もあったという同社。家賃やスタッフの給料を何とかしようと長時間営業を始めたというのが嘘のように、今は次々とお客が押し寄せる繁盛店になっています。

アプリの導入で若年層が急増

休日ということもあってか、客層は子連れのファミリー客、10~20代の若者たちやカップルなど、比較的若い客層が目立っていました。

山岡家牛久店
並んでいる人たちを見ると、若年層も多いことがわかる(筆者撮影)

もしかして山岡家の客層が少しずつ変化しているのかと疑問に思い、同社のアプリ会員の内訳を見てみました。するとおもしろい傾向がわかりました。

図3

山岡家のアプリ会員は25年7月時点で140万人を超えています。男性が74.1%とやはり男性客が多いのは想像通りですが、年齢別客層でダントツに多いのが20代で全体の34.5%、さらに10代が8.6%もいるのです。

山岡家社内でも30~40代が多いと予測していたようですが、アプリ導入により10~20代という若年層の新規顧客を獲得していたのです。トラックドライバーの常連客に加えて、新規で若者層を獲得した。これが同社の売り上げを大きく伸ばした一要因だったのです。

次ページ郊外立地への出店は、認知度獲得にはデメリットだが…
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