「トラックドライバーのソウルフード」「東京23区にはあえて出店しない」 ラーメンチェーン《山岡家》が全国区で老若男女に愛されているワケ
まずは同社の業績推移を見てください。

山岡家の25年1月期の売上高は345億円。23年1月期と比較すると185.2%と大幅に売り上げを伸ばしています。営業利益では7倍、営業利益率、経常利益率は共に、同社創業以来初の10%超えを果たしています。まさに業績絶好調です。
この業績を支えているのが同社の展開する「逆張り経営」の数々です。
あえて“スローな”出店スピード
山岡家の逆張り経営の第一に挙げられるのが同社の出店戦略です。
出店は小売り・サービス業にとってもっとも優先度の高い戦略要素。特にチェーン店にとっては店を増やす=店舗が増えて売り上げが上がり、食材コストなどの原価率が下がり、収益性が高まるというのが鉄則だからです。
しかし、山岡家の出店ペースはとても遅い。スローな出店戦略が特徴です。

山岡家の店舗数は06年1月期に67店舗でしたが、12年には137店舗と6年間で倍増させた時期があります。しかし売り上げは1.7倍までしか伸びず、数年間の停滞期間、14年には店舗数、売上高ともに減少となりました。
ここから同社は出店政策を見直し、同社にとって最適な立地をじっくり選び、ゆっくりと出店していくスロー経営に転じます。
すると驚くことに、10年後の22年には店舗数は169店舗と23%しか伸びていませんが、売り上げは70%増となりました。12年に1店舗当たり6000万円程度だった売り上げは23年1月期には1億600万円に、25年1月期には1億8400万円と3倍に伸びているのです。
直近2年間で店舗数は12店舗増。年間6店舗しか出店していないのです。同社は純粋に1店舗当たりの売り上げを増やし、全社売り上げを上げていることがわかります。



















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