狂騒の時代に生きたシャネルとローランサンの作品を発表、漫画家・桜沢エリカが語る創作活動と暮らしのバランス
『メイキン・ハッピィ』『天使』など、女性のリアルな心情を描いてきた漫画家・桜沢エリカさん。最新作『パリ 1921 蠍座の女と獅子座の女』では、同じ1883年に生まれたココ・シャネルとマリー・ローランサンという2人の女性の友情や、新時代を切り拓いていく姿を描いている。
デビューから40年以上、時代の変化を受け止めながら創作を続けてきた桜沢さんに、ココ・シャネルとマリー・ローランサンの生き方について感じたことや、仕事を楽しみながら続けるヒントなどを聞いた。
ローランサンとシャネルという「面白い女」たち
「若い頃からCHANELが大好きだったんです」という桜沢エリカさん。ブランドそのものはもちろん、創業者ココ・シャネルの生き方に強い憧れを抱いてきたという。
「ココ・シャネルに関する本や映画はたくさんあるので、昔からよく読んでいました。女性の自立が難しかった時代に、仕事で自立していた姿はとても魅力的でしたね」
今作の着想の原点は、シャネルと同時代を生きた女性画家マリー・ローランサンの作品だった。
「2023年に、ローランサンの生誕140周年を記念した展覧会に行ったんです。それまで彼女の“ゆめふわ”っぽい作品には正直あまり関心がなかったのですが、改めて見ると“思っていたよりずっと可愛い”と感じて、一気に興味が湧きました。
『マドモワゼル・シャネルの肖像』も展示されていて、シャネルが受け取りを拒否して大揉めしたという顛末を知って、ローランサンって意外に面白い女なんだと(笑)」
史実を調べていくうちに、優美な作風からは想像できないほど強い意志を貫いて生きた彼女の姿に惹かれていったという。
そこから物語の構想が生まれ、ローランサンと対を成すもうひとりの主人公として、以前から敬愛していたココ・シャネルを据えることに。
「2人はどちらも1883年生まれ。同じ時代に、ファッションと芸術という異なる分野で女性として初めて実力を認められ活躍しました。その交流を描くのは、すごく面白かったですね」



















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