狂騒の時代に生きたシャネルとローランサンの作品を発表、漫画家・桜沢エリカが語る創作活動と暮らしのバランス

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

長く創作を続けるうえで欠かせないものとして、「健康管理」と「家庭の安定」を挙げる。

「体を壊すと続けられないので、運動が苦手な分、食事で補うようにしています。体を冷やさないような食材を選んだり、緑黄色野菜や葛が入ったサプリも毎日飲んでいますね」

若い頃は徹夜で執筆することも多かったが、今は生活のリズムを整えることを大切にしている。

「昔は朝の4時まで描いて、終わったら『焼肉行くか!』なんてやっていましたが(笑)、今は夜11時には終えるようにしています。出産をきっかけに、なるべく子供に生活リズムを合わせるようになりました。私もアシスタントたちも年を重ねているので、無理はせず、睡眠を大事にしています」

プライベートでは1999年に結婚。桜沢さんの希望で、夫が“専業主夫”となり、桜沢さんは一家の大黒柱に。一男一女を育て「仕事と家庭を両立してこられたのは夫のおかげ」と話す。

「夫が家事を一手に引き受けてくれているから、私は創作に集中することができます。『夕飯はどうしよう』などと現実に引き戻されずに、少女漫画の世界に没頭できるんです」

仕事と生活を両立させる「家庭円満」の秘訣

桜沢さんは、家庭を円満に保つために大切にしていることがあるという。

「今は長男が独立して、夫と娘との3人暮らし。夫も娘も、日々いろいろなことを抱えているようで、話し出すと止まりません。娘は、彼氏の愚痴まで赤裸々に話してきます。

夫も話さないと元気がなくなるタイプなので、忙しい時もしっかり話を聞くようにしています。私からも、『今日は何があったの?』と聞いてみたりすると、自然に『私の方はこんなことがあったよ』と会話が弾みます。夫婦がお互いの暮らしに興味を持つことが1番大事だと思います。なかなか面倒臭いですが(笑)」

パリ 1921 蠍座の女と獅子座の女
『パリ 1921 蠍座の女と獅子座の女』(世界文化社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

子育てが一段落してから、夫は飲食店で働くようになり、最近では新たな仕事にも挑戦しているという。

「足つぼマッサージの資格を取って、近所のリラクゼーションサロンで働くようになりました。『人の体を整えるのが楽しい』と言っていて、生きがいを見つけたようでうれしいですね。仕事から帰ると、変わらず夕食を作ってくれています。私はせめて時々、味噌汁くらいは作るようにして、夫が機嫌良くいてくれるようにしています」

そんな日々の中で、桜沢さん自身も新たな創作意欲が湧いている。

「今回1920年代のパリを舞台に描いたことで、この時代の面白さを改めて感じました。世界中から芸術家や作家、音楽家が集まっていた時代ですから。ピカソや藤田嗣治など、この作品に登場した人物を中心にしたスピンオフも描いてみたいですね」

都田 ミツコ 編集者・ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

とだ みつこ / Mitsuko Toda

1982年生まれ。編集者・ライター。編集プロダクションでの勤務を経て、フリーランスに。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事