「なんか気持ち悪い…」AIで作ったものに覚える違和感こそが「人間の価値」そのものである訳

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

誰に、何の価値を届けるかを決めたとしても、どうやって届けるかを指示しなければ、AIは的外れなものを作ってしまいかねません。「そこまで指示するなら、AIを使う意味があるのか」という疑問を抱くかもしれません。しかし、それは誤解です。むしろ、ここまでやっているかどうかで、AI活用の差がついているのです。

「クオリティが高いもの」に徹底的に触れよう

価値ある人材になるポイントがわかったといっても、「言うは易し」なのは重々承知しています。そのうえで、少しでも早く価値を出せるようになるための方法をひとつ。

それは「クオリティが高いもの」に徹底的に触れて、自身にインプットするということです。

とあるエンタテインメント大手企業の社長に教えてもらったのですが、その方は休日に上野の美術館に行ったり、様々な画集を買い集めるなど、とにかくクオリティが高い作品に触れるのを習慣にしているということでした。

さらには、色彩検定の勉強をしたり、美術の技法について学ぶなど、クオリティが高い理由を言語化するための知識も取り入れているということでした。

クオリティが高い低いというのは、簡単に言語化できるものではありません。受け手側として「なんか気持ち悪い」という評価をすることは簡単ですが、実際に気持ち悪くない、クオリティが高いものを作るのは大変なことです。クオリティが高いといえる理由を理解し、言語化することで、初めて人やAIに具体的な指示を出せるのです。

良い資料を作りたければ、大手コンサルや広告代理店の資料を大量に読んで、クオリティが高い資料に共通する要素を言語化することです。良い記事を作るなら、良い動画を作るなら……すべてはクオリティが高いものに触れることから始まります。

これを繰り返しているうちに、だんだんと「気持ち悪さ」の正体が言語化できるようになり、AIに具体的な指示をできるようになっていきます。

この「インプットと言語化のループ」を繰り返すことで、AIを活用して価値ある仕事を効率的にできる人材になっていきます。

「なんか気持ち悪い」があふれている状況は、周りを出し抜くチャンスとも言えます。違和感の正体を言語化することが、一歩抜け出すための秘訣なのです。

三浦 慶介 株式会社グロースドライバー代表取締役社長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

みうら けいすけ / Keisuke Miura

1983年生まれ。一橋大学法学部卒業。サイバーエージェント、リヴァンプ、グロース上場企業スパイダープラスのCMOを経て2025年に独立。ゲーム・小売・飲食・教育・建設Techなど幅広い業界で事業成長を牽引。会員数150万を超えるヒットゲームの開発、数百万人が利用するCRMアプリの企画・開発、年間数十億円を運用するマーケティングチームの内製化、1年で生産性を160%改善する営業改革など、業種・業界を問わない事業成果を実現。現在は「AI時代の人材育成×事業戦略」を専門に、事業成長の伴走支援と知見の体系化に取り組む。著書に『AI時代に仕事と呼べるもの』(東洋経済新報社)がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事