その意図とは、「女性の地雷」を回避するということ。
以前、別の記事(『「怒りながら叫ぶ女」はどうして嫌われるのか』)でも触れたように、女性リーダーは、弱々しくても、強すぎてもいけないという「ダブルバインド」(二重拘束)の縛りを受けやすいと言われます。
おとなしくて主張をしなければ「リーダーシップがない」「気が弱い」と言われ、意見を述べ、自信があるように振る舞えば、「気が強い」「ヒステリック」「怖い」「冷たい」と、言われてしまう。
女性は基本「優しく、温かく、包み込むべき存在である」という社会的期待がいまだ根強いため、「自己主張をし、自信があり、アグレッシブ」という男性特有のリーダーシップのスタイルを踏襲しようとする女性は「攻撃的」「強引」と見なされがちです。
たとえば、蓮舫さんが男性であれば、あそこまで批判はされなかったのではないでしょうか。
それほど、「気が強い」「自己主張をする女」は制裁を受けやすい。「怒る女」は「怒る男」以上に徹底的に嫌われてしまうのです。
強い口調で話すからこそ、笑顔が「最強の武器」に
高市氏の物言いは自信に満ち、強い口調で話す場面も少なくありません。
そんなときに、怖い顔をしていたら、あっという間に「ヒステリー」「怖い」認定されてしまう可能性があります。
「弱くなりすぎても、強くなりすぎてもいけない」。両側に「地雷」を埋まっているような狭い帯域でのコミュニケーションを強いられる、という女性特有の「ダブルバインド」。
その制約の中で、彼女の笑顔は「怖さや厳しさを和らげる」最強の武器として使われているのです。


















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