強くて元気な営業組織を作るために必須の「好循環」とは何か? 問題も多いけれど「伸びしろ」だらけの日本の「営業」を考える

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強くて元気な営業組織のつくりかた
顧客の課題解決や成功を促し、彼らの満足度を高めるうえで、やはりセールスパーソンの存在は欠かせません(写真:ふじよ/PIXTA)
AIの登場と進化により営業という仕事はなくなる。そんな声を聞いたことがあるビジネスパーソンもいるだろう。しかし冷静に現実を見ると、いま強い会社は例外なく営業組織が元気である。『強くて元気な営業組織のつくりかた』(東洋経済新報社)の執筆・監修を手掛けたグロービス経営大学院 教員の嶋田毅氏が、現代の営業組織のあり方や強く元気な営業組織を作るため好循環について解説する。

セールスパーソン・営業組織の在り方が問われている

2020年から数年続いたコロナ禍において、多くの会社で働き方や組織体制に大きな変化が起きました。まず、さまざまな仕事のオンライン化が進み、並行して生成AIなどの劇的な進化があって、人間が果たす役割についても議論が起こっています。営業組織においても同様でしょう。

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たとえば生成AIは、顧客への営業提案書の草稿を作成したり、膨大なデータをもとに顧客ニーズをきれいにまとめたりしてくれます。生成AIを含むAIによって、営業業務の30%以上が自動化されるとも言われています。

現に製薬企業では通常の企業の営業職に相当するMR数の減少が続き、営業所を閉鎖する企業も出てきました。「営業不要論」などという言葉をインターネット上で見かけることもあります。

ただ、このような営業に対する風当たりを受け、「セールスパーソンはいらないんだ」と考えるのは早計です。その役割は、多くの人に製品・サービスの情報を的確に伝え、それらを届けるだけではありません。

先に述べたように、セールスパーソンが顧客との丁寧なコミュニケーションの中で抽出した課題や潜在ニーズから新しい商品・サービスが生まれることも多いのです。カスタマーサクセスもやはり営業と切り離すことはできません。

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