強くて元気な営業組織を作るために必須の「好循環」とは何か? 問題も多いけれど「伸びしろ」だらけの日本の「営業」を考える
「課題」と一口に言っても実態がつかめませんので、同じ調査では、所属する営業組織で最も課題に感じていることについても答えてもらっています。結果として、人材不足や人材育成などの「ヒト」に関する内容が目立つという結果が得られました。
人材が不足する原因としては、体育会系の雰囲気でノルマに追われる、あるいは顧客のわがままに付き合わないといけないなど、働き方改革が叫ばれる中で「きつい仕事」というイメージがあるからかもしれません。
人材不足が顕著であれば、なかなか人材育成に時間をかけられませんし、すぐ辞めるかもしれない人を熱心に教育しようとも思わないでしょう。つい短期的な視点でコスト削減を優先し、教育への投資が後回しになることもあります。
また我々は別の独自調査でさまざまな業界のセールスマネジャーの方々にヒアリングを行いました。
そこでもやはり「ヒト」に関する課題が多く挙げられました。加えて、営業活動そのものや社内連携に関しても多くの指摘がありました。
具体的には、営業プロセスが属人化してしまっている、ナレッジなど社内の情報共有がうまくいっていない、マーケティング部署から提言される施策に現場感がないなど、多くの課題を抱えていることがわかりました。読者の皆さんも、「うちも同じだ」とうなずかれるのではないでしょうか。
営業組織にはとにかくたくさんの課題があります。ただ、言い換えれば、先述したように伸びしろがあるということです。
大切なのは好循環を構築・回転させること
では、この状況を打破するために、どうすればよいのでしょうか。
皆さんの組織でも、日々いろいろな課題に対して原因を考え、分析し、課題解決に向けた取り組みをされていると思います。たとえば、近年注目されるデジタル化や顧客のデータ活用、あるいはAIエージェント活用などによる営業効率化ももちろん大切でしょう。
それはそれで他社事例なども参考にしながら進めるべきです。
しかし「もっと大切なもの」があります。それは「生産性・働きがい・顧客満足を実現する好循環」、すなわちセールス・サクセス・チェーンの構築です。この好循環を構築し、回転させることが、営業生産性を高める取り組みとして、最も費用対効果が高く、持続性も高いのです。
そしてセールスパーソン・営業組織・顧客といった人々・組織を幸せな状態にするカギともなるというのが、我々の導き出した結論です。


















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